版画二人展<TERROR> 平安画廊 京都

倉本修による装幀で
使われたコラボの版画
 倉本修のエッチングと私のシルクスクリーンによる、一枚の紙の上での共同作業(コラボレーション)。厭世的世相を反映せずに、なんとか突破口を見つけたい、と・・・だが、創造への道のりは険しい。この後、今日に至るまで、数回、コラボレーションを試みてはいるが、やはり険しさは変わらない。この展覧会の時はちょうどフランスから帰っていた菅井汲にほめられたことが唯一の収穫だった。もしくは打ち上げで行った絨毯バーでのラジオDJ MO子とのキスの味か。

 展覧会が記憶の底に沈んで15年もたった頃、渋谷のとある本屋で、何気ない目線の先に、記憶の糸くずがほころんだ。
 共同作業は在らぬ所に、浮かび上がっていた。勝手に加筆されていたことよりも、むしろようやく実を結んだかと嬉しかった。