滞在記1 フランクフルト〜シュツットガルト
滞在記2 シュツットガルト
滞在記3 シュツットガルト〜ストラスブール
滞在記4 ストラスブール〜ランス(シャンパーニュ)
滞在記5 ランス(シャンパーニュ)
滞在記6 ランス〜パリ
滞在記7 パリ
13/jun/05ストラスブール〜ランス(シャンパーニュ)

 さて朝のうちにストラスブールを出るつもりだったが、食事をとったので昼過ぎになった。なんか移動して、食べて、ホテルに泊まって、しかしてない感じだが・・・
 フランス内の高速はドイツとはうって変わって速度制限100〜80キロ。日本と同じだ。なかなか先に進まない気がしてしまう。ストラスブール・パリ間の2/3を行かねばシャンパーニュ=ランスに着かない。高速沿いのパーキングエリアはドイツとたいして変わりないが、車線巾は日本と同じ程度だ。相変わらずクーラーが効かない。ファンを回しすぎたのか咽をやられた。どうもフランクフルトからシュツットガルト行きのICEの向かいの小柄なドイツ人じいさんに、風邪を移されたようだし。調子わる。
 ランスに着いたのも夜の8時過ぎ。とりあえず駅のインフォメーションセンターへ行くが、閉まっている。あつこは駅向かいのアイビスというホテルチェーンへ聞きに行くがことわられる。クルマを繁華街方面へ回す。もう、構ってられない感じに。で、フランス人になりました。つまり、彼らと同じように路駐です。大きなホテル1階のレストラン前に駐め、そこから目抜き通りへ2人で歩きながら、一軒一軒ホテルの空きをチェック。数件入り口で断られた後、小さなスナック?風のレストランに部屋があるタイプの店で、肝っ玉母さんが「部屋あるよ」。でも、汚いしちょっとくさいんで一応部屋を見せてもらう。ちちっ。鍵が開かんじゃないか。(この後も結構鍵を使うどこのホテルも、上手に開けられなかった。日本の鍵とコツが違うのかな)で、やめにして他を探す。目抜きから10mよけたところに新築のホテル。チェーンのリッチモンドだ。ここはアメリカ式。フロントの黒人ねえちゃんは鼻から抜ける風。高かったが疲れていたのとパーク代が安かったので即決。ちょっと豪華な夜になる。でも、今時日本じゃ、こんなアルミ使ったハイテク無味空間、バブルはじけてこのかたないぜ。
 お決まりのお食事。はやってる店を選んだのが間違いか、バイトなのか高校生ぐらいの年の金髪男に合図するとくるりと顔を背けた。ははーん、コイツ白欧主義者(いわゆる人種差別)だな。ドイツでも見た目はっきりアングロの金髪さんに結構このてが多かった。(すんませんね、ちんけなイエローが金持って遊びに来て。)ちょっと肌が小麦色のスパニッシュかかった感じの黒髪スレンダー美人さんが近づいてきて「いまそこのテーブル開けるから」って、てきぱき処理。ビールでやっと落ち着く。お客はひっきりなしにやってくる。どこから涌くんだ?! お腹もくちくなって帰り際、あのよく働くお姉さんにチップはずもうと待ったけど、店の中であちこち働いて外に出てこない。(私たちはテラスで食べてました)外にはイケズの金髪男だけ。アイツに取られるのは悔しいから、チップなしのきっちり支払い。フンだ。
ランスへの途中Metz(メス?)の手前にあったパーキングエリア。ここは整備されていて舗装された駐車スペースにトイレ(黄色い建物)もあった。上のベンチは駐車スペースから木立を挟んだ森の際に設置されていた。途中幾つもトイレこそ無いものの、森外れにベンチだけといったパーキングエリアがあった。 上:まだまだ長閑に森や耕作地が拡がる。
:ランスに入った。市内手前の幹線道路沿い。
ホテルの中庭。バラバラ置かれている黒い板は、べつに現代美術作品ではない。翌朝、大勢のバスツアー客でごった返してた。踏み荒らされないようにするためのものらしい。
この広場を中心にホテルやレストランが集まっている。
ランスの大聖堂。ステンドグラスの宝庫。写真はシャガールのもの。祈りの場に洩れる淡い光が美しい。
14/jun/05ランス(シャンパーニュ)〜パリ

 翌日はパリまでストラスブールから残り1/3なのもあって、ゆっくりシャンパンテイスト。数件のシャンパン工場を回るつもりだった。これが狂った。なんとどの工場も、当然といえば当然だが、きちんと説明付き。〈ううっ、テイストだけやらせてくれんのか〉時間がかかる。見学に1時間近く必要。「おい、そこのアメリカ人!質問なんかするなっ!時間、かかるやんけ」と心の裏の空き地に叫んだ。ま、シャンパンテイストのはしごなんて私らぐらいなもんだろうけど。そして昼。これも当然だけど、それぞれ2時間のお休み。それならその間に藤田嗣治のチャペルを見学しよう。隣は古い工場もあることだし。が、チャペルも管理人さんが休憩で鍵かけてる。不運。(ただの準備不足です)うんじゃ食事して開くのを待とう、と近所のレストランへ。が、ここも1時過ぎてたせいか「冷たい飲み物だけです」。不運。ちびちびビールを飲んで、2時までつぶす。いかにもコックさんという太り具合のお父さんが、入り口横のテーブルにもたれかかって、旬のチェリーをぱくつきながら私らを観察している。藤田のチャペル近いんだから、日本人なんて珍しくないだろうに。
 チャペル、外観は本当に可愛らしい。反対に中は異様な姿態のマリアなどが描かれているが、藤田にしては意外に明るい色調である。しかしフレスコ画なので絵の具が壁から浮いた感じがする。そうか、あの油絵で特徴的な墨による陰影が施されてないんだ。あつこ曰く「なんか、とって付けたみたい」
 はてさて、そんなこんなでいざパリへ。
あつこ念願のシャンパンテイスト。地下の迷路でカートに乗せられての解説があまりにも陳腐だっただけに、かえってこのテイストルームのゴージャスさに心打たれる。3種テイストはローズもビンテージも入って満足。中国人団体さんの若い男性がちょっと口笛。なぜかって?彼らはカウンターに並べられたグラスを自分でとって立ち飲みなのに、3種を頼むとテーブルにきちんとセットされていて、ゆっくり座って飲めるからです。あつこが無類のシャンパン好きでなければ私もきっと立ち飲みのほうでしたね。とは言え、私はドライバーですんで一口づつ味見をして、グラスはあつこへ。
高校生の時に藤田の油絵「マリアとキリスト母子像」を見て以来のFujita。祈りの形はFujitaらしく、こんな形で小さく結晶したのか。
藤田のチャペル。