「霧中の木霊」は2003までに綴られたものです

更新日は5/Dec/2012です。内容は当時のままです。左の項目からお進み下さい。

「病窓には流れる空しかなかった」98’ スクラッチドフィルム001


夜の向こうから足早にやってくるものたち
何をしようというのか
ここまではまだまだ随分かかるだろうに
ほんの星の瞬きほどだというのか
取り敢えず、己の寝顔を映し見ていよう
ねえ 救急車に運ばれ寝台の上でうとうとしてたら
なんだか すっかり夏めいてるよ


夏の内に薪を仕込んでおく


夏も終わったというに 術後の経過はちっとも良くなくて
日にちばかり過ぎてた
忘我庵の食薬草の花々は咲いてしまって
時折病室で庭の景色を渡されてた
形香は身近に届いたけれど
さて 蒔時をすっかり失っての一月もの微睡み
あの痛みの中で拙我は如何なる夢を透かし見たのだろうか
室野井洋子の雀斑の笑顔のお鼻の小皺の
愛兄柊の指先の打ち出す流れる先の文字の
それでは またお会いしませう うつせみども


解体業を営む知人が土の他に大量の植木鉢をくれたのをテラコッタ片にして敷き詰めた





夏は嬉しいハーブティー。左からフランボアー、フェンネル、アップルミント